England and America are two countries divided by a common language.
-George Bernard Shaw
「イギリスとアメリカは、1つの共通言語を持ちながら、分けられた2つの国である。」
-ジョージ・バーナード・ショー
こんな言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。
日本にいる英語のネイティブ教師の大部分はアメリカ出身で、イギリス出身の僕はある程度珍しい。。。。。かな、と思います。
そこで、たまに下記のようなリクエストをいただくことがあります。
- ・クライエント・上司・友達・出張はイギリスの関係なのでイギリス人の先生に教わりたい
- ・イギリスの文化が大好きなのでイギリス人の先生に教わりたい
- ・イギリス英語の発音を勉強したいからイギリス人の先生に教わりたい
などなど。
では、イギリス英語とアメリカ英語、つまり、「英語と米語」の違いは、どれくらい大きいのでしょうか?自分の状況によっては、イギリス英語やアメリカ英語に特化して学習するべきでしょうか?
イギリス人とアメリカ人は、歴史上ずっと効果的にコミュニケーションをしてきましたから、お互いの話し方が「通じる」ことは間違いありません!
ですが、確かに違いもありますので、主な違いを4つのカテゴリに分けてお話しすることにします。
1)語彙
これは、最も知られている違いです。
見ていただいて分かるように、違いのほとんどが、「食べ物、洋服、車、道具・環境」に関する単語ですね。
*画像はBoredPandaのコミュニティーメンバーのDovasさんの画像をお借りしています。
食べ物:
洋服:
車:
道具・環境:
しかし、これはとても僅かな違いです。そして、違う単語出会っても似ているの部分もあるので、推測することも出来ます。
また、映画、テレビ、マスコミなどのお陰で、これらの単語が通じるようになっているだけではなく、両国ともお互いの単語を使うようになってきているので、違いは薄まっています。
2)発音
イギリス英語とアメリカ英語の発音で、大きな違いは主に下の2つです。
- /a/(母音)
- /t/
他にも細かい違いがありますが、この2つを理解しておけばリスニングの際に役に立ちます。
・/a/の音について
/a/の違いは、カタカナで表記すると分かりやすいです。
例えば、catという単語の発音は下のようになります。
アメリカ英語 = キャット
イギリス英語 = カット
アメリカの英語
イギリスの英語
・/t/の音について
アメリカ英語の/t/の音は、/d/に似ています。
アメリカ英語 = water → wa-der
アメリカの英語「女性」
アメリカの英語「男性」
イギリス英語 = water → waw-ter/waw:er
イギリスの英語「男性」/t/あり
イギリスの英語「女子」/t/なし
3)文法
これは滅多にありませんが、ある時ちょっと出てきます。
1番よく出るのは、動詞の過去分詞形の変化形の違い。
アメリカ英語 = get → got → gotten
イギリス英語 = get → got → got
他には、下のように使う熟語が変わったりします。
アメリカ英語 = would 〜 (過去によく〜していた)
イギリス英語 = used to 〜 (過去によく〜していた)
4)スペル
これは、それぞれの歴史に起因しています。
*以前、歴史と文化が言語に及ぼす影響について記事にしました!
イギリス英語の40%以上の言葉は、フランスからきています。
そのため、イギリス英語ではフランス語のスペルがそのまま使われているのです。アメリカ英語では、「発音通り」のスペルを使っています。
代表的なのが、最後が「er」のある言葉です。
アメリカ英語 = theater, centimeter, center
イギリス英語 = theatre, centimetre, centre
もう1つの大きい違いは「u」についてですね。
アメリカ英語 = honor, color, flavor
イギリス英語 = honour, colour, flavour
ちなみに、これは広告のせいだそうです。アメリカで新聞に広告を入れる場合、文字の数で広告の値段が決まりました。だから、お金を無駄に使えないため、アメリカの会社は無音の文字を省き始めたそうです。
では、始めの質問に戻りましょう。アメリカ英語やイギリス英語を専門的に勉強することは必要でしょうか?
確かに、もしアメリカやイギリスに移住する予定があるのでしたら、「文化を含めて」移住先の英語を学習する方が良いと思います。
しかし、ビジネスや旅行の目的のみであれば、両方の違いはそんなに大したことはなく、お互いに絶対に通じますので、神経質になる必要はありません。
でも、最終的には、自分の趣味、興味、好奇心次第です!
そこにこだわりがあるのでしたら、学習のモチベーションにも繋がるので、あなたの興味に従った方が良いと思いますよ。