以前、「前置詞と時間」というブログを書きました。
それはなかなかみなさんのお役に立てたようですね。
クイズの結果を見ると、多くの人が理解できているようでした。
しかし、昨年末、1人の読者からこんなリクエストをいただきました。
「ブログのおかげで、時間表現のときに使うin, at, onの前置詞をとてもよく理解することができました。しかし、場所に使う場合は、まだ混乱してしまいます。教えてください。」
今日は、このリクエストにお答えするために書きました。
日本の英語学習者にとって、前置詞は英語の複雑なポイントの1つだと思います。
少しでも今日の内容を理解しやすくするために、1つの大事なことをお話しします。
前置詞は日本語の文法の助詞と同じような単語ではありません。
前置詞をよく間違えてしまう原因の1つは
「英語の前置詞」= 「日本語の助詞」
と考えてしまうことです。
例えば、日本語の「に」は英語でtoです。
来年、イギリス「に」行きます。
Next year, I’m going to England.
上記の文章から見ると「に」はtoで間違いないように思いますよね。
しかし、
明日、買い物に行きます。
という文章の場合、日本語では同じ「に」を使っていますが、この場合は英語でtoを入れると間違いになってしまいます。
明日、買い物に行きます。
I go shopping.
shopping は活動なので、「ある活動をしに行く」と英語で言いたい場合は、toが必要なくなるのです。
この例では、英語と日本語の文法のルールの違いも関係ありますが、「に」は必ずtoと英訳する、と考えてしまうと間違えてしまうのですね。
どんな日本語になるかは、文章によって違ってくるのです。
ですから、以前読んでいただいた「前置詞と時間」のルールが当てはまるのは「時間」の場合だけ。
この「前置詞と場所」のルールはまた別です。
実は、英語の前置詞はとても忙しいのです。
ある時は、物の位置を表して、ある時は、動く方向を説明します
動詞が前置詞の大の友人で、手を繋いで離れることができません(これは動詞と前置詞がセットになった「句動詞」のことですよ)。
例えば、
I’m working on a project right now.
今、プロジェクトに取り組んでいるところです。
このwork onは「動詞と前置詞」のペアです。
workとその具体的な対象を繋げる前置詞onがくっついて、「〜に取り組む」という一つの動詞としての意味を持っています。
ただ、この「句動詞」については、また別のブログで詳しく書きますね。
今日のテーマは「場所」に使っている前置詞。
早速始めましょう!
1. inとatの使い分け
あなたは下記の二つの文章のなかでどちらが正しいと思いますか。
Let’s meet in the restaurant.
Let’s meet at the restaurant.
どうでしょうか?
ちょっとずるい質問でしたけど、実はどちらも正解です。
ただ、ニュアンスがちょっと違います。
in =「ある場所の中で」
at =「一般的に、その場所周辺」
ニュアンスを捉えるのに、下の図は分かりやすいかもしれません。
Mike: Where shall we meet for our date on Friday night?
Steph: Let’s meet at the restaurant.
マイク:金曜日の夜のデート、どこで待ち合わせようか?
ステフ:レストランで会いましょう。
予定について話す時はatをよく使いますが、実際に、会うとなると、電話でこんな会話をすることがあります。
Mike (on the phone): Where are you?
Steph: I’m at the restaurant.
Mike: I’m here, too. Where exactly are you?
Steph: Oh, I’m in the restaurant/I’m inside.
マイク(電話で):どこにいるの?
ステフ:レストランにいるわよ。
マイク:僕もそこにいるよ。具体的に、どこなの?
ステフ:ああ、私はレストランの中にいるのよ。/私は中にいるのよ。
この会話では、明らかにinの方が的確ですね。
予定を立てる時は、一般的にその場所周辺について話しているのでatを使うことが多いです。でも、「外」か「中」か「的確な位置」を表す場合は、「in(side)/out(side)」を使います。
ちなみに、atとよく使われる一般的な場所は、下記の通りです。
この場合、atは日本語の「で」と同じです。
- ・At home(家で)
- ・At work(職場で)
- ・At the office(オフィスで)
- ・At school(学校で)
- ・At university(大学で)
- ・At the station(駅で)
- ・At Disneyland(ディズニーランドで)
特に具体的な場所を示す必要がなければ、「あなたは今どこですか」という質問の答にat + 場所で答えて大丈夫です。
ただ、詳細な位置が大事にになる場合は、inを使ってその場所のどこにいるのかを具体的に教えてあげることができます。
一番わかりやすいのはエレベーターの例です。
ちなみに、elevatorはアメリカ英語で、イギリス英語ではliftと言います。
I’m at the elevator.
エレベーターの前にいる。
I’m in the elevator/lift
エレベーターに乗っている/エレベーターの中にいる。
2. 「国」や「町」について話す
「国」や「町」について話す場合は、inを必ず使います。
- I’m in France.
私はフランスにいます。 - We’re in Osaka.
- 私たちは大阪にいます。
- I live in Tokyo.
- 私は東京に住んでいます。
- We have a house in Sweden.
- 私たちはスェーデンの家に住んでいます。
「〜にいる」、「〜に住んでいる」、「〜にある」は状態を述べる文章です。ですから、この場合「に」は英語のinを使います。
しかし、「〜に行く」の時は、動きの方向を表すので、inではなく、go toを使います。
例)
- I’m going to Vietnam.
私はベトナムに行きます。 - We’re going to Japan.
- 私たちは日本に行きます。
買い物・キャンプ・ジョギングの様な活動は「ある活動をしに行く」という意味になり、これは場所ではありません。この場合はtoが使えず、寧ろ、前置詞は不要です。
I’m going shopping/camping/jogging.
3. onの使い方
最後はonの役割を詳しくみてみましょう。
onをよく使うのは、次の2つのような文章です。
- On Main street (on + 道や道路の名前)
- On the 5th floor(on + ビルの階)
ただ、交通のことについて前置詞を使うときは、注意が必要です。
inとonのニュアンスをしっかり理解すれば、簡単に使い分けができますよ。
基本的に公共の交通機関には、onを使います。
より簡単な考え方は、乗り物のなかで立っている場合は、onを使います。
- On a bus
- On a plane
- On a train
- On a boat
自転車、スケートボードなどの物は「上に乗る」と考えるので、この場合もonを使います。
- On a bike
- On a skateboard/snowboard
- On a scooter
中で座らなければならない乗り物は、inを使います。
- In a car
- In a taxi
- In a limousine
さあ、これでパート1は以上です。
パート2では、物の位置についての前置詞をもっと詳しく勉強していきます。
今回の内容をちゃんと理解できたか、確認のためのクイズに挑戦してみてくださいね!
また、以前紹介した「前置詞と時間」についても読みたい方は、こちらからお読みいただけますよ。
前置詞と時間
今回は、時間を表現するために、前置詞in,on,atをどのように使い分けるのか、と言うお話しです。
バイリングア・英会話クラブについて
Bylingua Conversation Clubとは!
決められたテーマに沿って、クラブ参加者と英語で会話を行う「英会話練習クラブ」です。
開催日時: 毎週第3回水曜日 20:30〜21:30
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参加資格:
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・以前は留学や海外生活をしていて英語を使っていたが、今では英語を使う機会がなくなってしまった
最後に・・・
この英会話クラブは、毎月参加することが義務であったり、バイリングアでレッスンを受けていなければならない、などの縛りもありません。 「英語を話す機会が欲しい!」「英語を話す練習がしたい!」との思いで参加してくださる方々と、50分くらいの間英語のみで会話出来るくらいの英語力さえあれば、どなたでも参加できます。
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