単語力さえあれば・・・!!
これ、悩んでいる方結構いませんか?
良く生徒様から伺うのは
・英語で話しながら「あ、あれ、あれは英語でなんて言うんだっけ?」ということが良くある。
・英語を聞き取りながら、「この単語が聞き取れなかった。この単語の意味が分からなかった。」ということがある。
・勉強したはずの単語を、すぐに忘れてしまう。
・言いたい単語がすぐに出てこない。
などなど。
このような経験から、
「自分に必要なのは単語力だ!」
と結論付けてしまう人は結構多いです。
では、「単語力」って、どういう力なんでしょうか?
1. 単語の役割
私たちは言葉を使って生活しています。
言葉を使うことで、人の頭の中にある考えやアイディアを聞いたり、話したり、読んだり、書いたりしながら人とコミュニケーションを取っています。
つまり、コミュニケーションとは、「私たちの頭の中にある考えの共有」ですね。
この、私たちの「頭の中にある考え」を正確に表現したり、理解したりするために必要なのが、みんなが共通認識を持っている「言葉」なんです。
日本人同士であれば、みんなが共通して日本語を理解し使っているから、日本語でコミュニケーションが取れます。
しかし、日本語を使って考えを共有できる人たち、場所は限られています。
世界共通語であり、使われている場所も、話す人も日本語より圧倒的に多い英語ができれば、より多くの場所で、そしてより多くの人と考えの共有が出来るようになります。
そのために、私たち、そして、皆さんは一生懸命英語を学習しているわけですよね!
では、「考えを共有するため」に言葉を使うのであれば、言葉の1番重要な要素である「単語」の役割はなんでしょうか?
それは、情報を「正確に」理解し、伝えることです。
2. フライドチキン!
こんなエピソードがあります。
私とNickの結婚式のために、Nickの友人と当時の上司が初めて日本に来てくれました。
初めての来日だったにも関わらず、結婚式の準備などがあった私とNickは常に彼らに付き添ってあげることができませんでした。
ある夜、彼らは自分たちだけで食事に出かけました。
「唐揚げ」を注文したかったのですが、もちろん「唐揚げ」という言葉を知りません。日本語も全く出来ません。
そこで、
Fried chicken! Fried chicken!
と言いながら、一生懸命身振り手振りを使って伝えたそうです。
後日、その話をしながら、両腕をバタバタと動かしてチキンの真似をする友人を見てゲラゲラと大笑いをしてしまいました。
幸い「フライドチキン」は、日本語にもなっていますから、店員さんにちゃんと伝わり、「唐揚げ」を食べることが出来たそうです。
この時、彼らが「唐揚げ」という単語を知っていたら、もちろん、こんな苦労はしなくて済んだわけです。
では、今後こんな苦労をしないために、彼らはこの「唐揚げ」という単語を覚えておくべきでしょうか?
答えは・・・
状況によります!
例えば、彼らが「また必ず日本に来て、唐揚げを食べたい」と思っているならYesでしょうし、「もう日本には来ないだろう」と考えているなら、彼らの人生には全く不要な単語ですよね。
つまり、「こう伝えたかったけど、適当な単語が見つからなくて苦労した」からと言って、
その単語を覚える必要があるとは、限らない、
ということです。
3. じゃあ、単語はどれくらい知っておくべきなの?
知っている単語が増えれば、正確に伝えたり、理解したりする情報は、もちろん増えていきます。
では、どのくらいの量の英単語を知っていることが、「単語力」がある、ということなんでしょうか?
実は、英語の単語は100万語以上にものぼる、と推定されています。
その全てを知っていなければいけないのでしょうか?
もちろん、そんなことはありませんよね。笑。
私は日本人で、母国語が日本語なのにも関わらず、日本語の全ての単語を知っているわけではありません。
英語も、当たり前ですが、知らない単語の方が多いです。
ですが、英語でのコミュニケーションで困ることは、もうほとんどありません。
(まだまだ、海外ドラマや映画を見ている時は、英語字幕に頼ることもあります。苦笑。悔しい!)
それは、
- ・自分が伝えたい考えやアイディアを言葉にするために、必要な量の単語力は身に付けている
- ・自分が日常生活でコミュニケーションを取る分野で必要な単語は、身に付けている
からなんです!
ということは、
あなたが英語を使って何をしたいのか?
が、あなたにとって覚えなければならない単語を決める、重要な情報になります。
だからこそ、バイリングアのスピーキングコースでは既成のテキストは使っていないのです。
あなたにとって必要な単語は、あなたにしか決められないからです。
単語帳を見て単語を暗記する。
⬇︎
暗記した側から、忘れてしまう。
⬇︎
記憶力が悪いから!!
と自分を責めるのはやめましょう。
それは、あなたにとって必要ではない単語だからかもしれません。
普段使わないから、忘れるのです。
あなたにとって必要な単語は、いやでも何度でも出会います。
出会う回数が増えれば増えるほど、その単語は記憶に残っていきます。
そして、もう忘れなくなります。
単語力で悩んでいる方は、ぜひ、
自分にはどんな単語が必要なのか?
ともう一度向き合ってみてください。
そして、単語帳と睨めっこしながら「自分は記憶力が悪い!」と思い込んでいる方は、
「暗記できない単語は、私には必要ないんだ」
と割り切って、どんどん次に進みましょう。
あなたにとって必要な単語は、また必ずどこかの場面で出会います。
その繰り返しによって、忘れなくなるのです。