• お買い物カゴに商品がありません。

「語学試験」からの学び

写真:Photo by Chris Liverani on Unsplash

先週、日本語の試験を受けました。
日本語能力試験、またはJLPT「Japanese Language Proficiency Test」のN1(1級、つまり、最高レベルです)を受験しました。これは、2回目の挑戦です。

申し込んだ時の僕の考えは多くの語学学習者と一緒で、「合格するために勉強しよう!」と覚悟していました。

ただ、

受験を申し込む→試験勉強をする→試験を受ける→試験後の今

というプロセスを経て僕の心境に変化がありました。今回のブログでは、その心境の変化について正直にお話ししてみたいと思います。

目標は「合格」!?それとも・・・?

試験のための学習を進めるうちに、語学習得のための受験活動が一体なんのためなのかを考えました。

合格するためです!!・・・よ・・・ね?
もちろんそうです‼︎

 

ただ、この「試験合格」は他の目標の代わりであることが多いです。

例えば、昇進するためにTOEIC800点以上が必要だという条件でしたら、「TOEIC800点を獲る」は、「昇進」と言う目標の代わりですね。

ただ、試験合格がこのようにはっきりと何かの代わりの目標になりうるかと言えば、これはちょっと微妙です。

 

自営している僕の場合では、合格するか不合格するのかはそこまで大切ではありません。ましてや、「英語教師に日本語の能力は必要ない!」と考える人もいるでしょう。しかし、僕は「語学を教える教師は語学を学習する経験を持つべき」という信念を持っています。そうでなければ、英語を習得しようと日々努力する生徒たちの気持ちを心から理解うることは出来ないし、真に役に立つ現実的なアドバイスをすることも出来ないと考えるからです。

ですから、「自分の語学力の進歩を図る」という目標の代わりとして、日本語能力試験の受験や試験勉強を続けてきました。

 

今年受験するのを決めた時は、「なんとか合格出来れば、それで良い」と考えていました。
しかし、勉強し始めてから、徐々に試験勉強についての深さが分かるようになりました。

模擬試験での結果は、合格か不合格は紙一重。
ある時は合格、ある時は、合格まであと一歩でした。

 

つまり、僕の日本語はちょうど試験のレベルギリギリといったところなのです。

でも、学習を進めるに連れて、ギリギリ合格するより楽勝で合格したい、と思うようになっていった私は、気がつきました。

 

目標が「楽勝の合格」なら、逆に「合格のため」の戦略や試験対策に集中するのではなく、全体的に自分の日本語のレベルを、楽勝で合格できるレベルまであげなくてはいけない!ということがわかるようになりました。

AとBの選択

僕には、自分よりも日本語が上手なアメリカ人の友人がいます。3年前に日本からイギリスへ引っ越して行きましたが、行く前に同じJLPTのN1を受けました。

彼は、すでに自分の日本語のレベルは十分で、試験の受け方だけを練習すれば合格できるという自信を持っていました。

結果は予測通り!
正答率80%で楽に合格でした。


あなたはいかがでしょうか?
下のAとBと、どちらのほうになりたいですか。

 

A:受験する前に一生懸命勉強するから、なんとか合格出来る人

B:受験する試験のレベルの語学力を既に持っているから、簡単に合格できる人

 

もちろん、Bになりたい方に手をあげる人がほとんどだと思います。でも、恐らく頭の中で「ニック、でも、それほど簡単じゃないよ!」と考えていますよね。

確かにそうです。

 

僕も、必死に勉強している中でこれに気が付きました。だから、もし私が週末の試験の日に、合格相当のレベルに達していなければ、それでも大丈夫だと思うようになりました。

短期間に詰め込んで習得した知識は、それと同じような速度で去って行きます。試験合格にする必死な勉強では、自分の本当のレベルを上げることはできないからです。

多分、あなたも思い当たる経験があるでしょう。

TOEICのような英語の試験を受けるために、必死に単語を勉強しても、試験が終わった途端すぐに忘れてしまった、などが、その最もな例ですね。

 

では、その代わりにどうすれば良いでしょうか。

試験の対策のために、本当に効率が良い学習法とは!?

短期的な詰め込み学習で習得する知識は、短期的に消えて行きますので、本当に必要なときだけに使った方がいいと思います。

やはり、1番強力で効率の良い方法は、長期的な勉強習慣を作ることですね。

つまり、毎日コツコツ勉強し続けることです。

 

僕が今回の経験で発見した1番の大切なことは、試験のある時も、ない時も、毎日ちょっとだけ勉強した方がいい、ということです。

すでにあなたが日常的に学習しているものに加えてあなたのレベルを上げる意識的な学習も行いましょう。

例えば、新しい単語や文法の学習、少し難しい長文の読みに挑戦する、などです。
特に、意識的に学んだ単語や文法は、スピーキングやライティングでアウトプットすることで、より定着させていくと良いですよ。

 

僕の場合は、日本語を話す機会はいっぱいありますが、意識的なインプットに時間を割けないことが多いので、これからはここを意識していこうと考えています。

試験当日は、〇〇〇だけ!

この間の日曜日、実は試験を受けたくなかったのです。

不合格の可能性が高かったですし、試験の長さが4時間だったこともあり、やらなくてもいいんじゃないか、と思っていました。

しかし、愛先生が良いアドバイスをしてくれました。

 

「日本語が大好きなんだから、試験を楽しんだらどう?合格・不合格のことを考えずに」

 

このアドバイスは、とっても印象的でした。

試験が始まってからは、時間も合格のこと考えずに、長文読解の記事を読むことをエンジョイしただけでした。

 

すると・・・記事の内容が面白かったのです!!

ゆっくり読んで、簡単に答えを出すことができました。

しかし、相当難しいN1の試験ですから、時間ギリギリの問題もあり、このままでは時間内に終わらせる事が出来ないと思い、途中からスピードアップをしました。

もちろん前ほど安心しては答えられなかったので、ミスがいっぱいあると思います。

 

でも、これも面白い発見ですね。

 

現在の僕のレベルは、この試験に合格出来るかギリギリのレベルだとは思いますが、今の読む速度では満点は無理だということが分かりました。

しかし、自分が楽勝に合格できるレベルの日本語の力がついていれば、楽しみながら読んでも時間内に終わるはず。裏を返せば、そうなった時初めて、僕は「楽勝で合格」出来るのであり、そのレベルの実力が真に身に付いているのだ、という事が分かりました。

 

 

日曜日、この試験を無事に終えて、合格したかどうかまだ分かりません。

しかし、月曜日からまた勉強を始めました。
毎日コツコツ続けていきたいと思います。

 

今回不合格だとしたら、来年絶対に合格します!
あなたも、一緒にがんばりましょうね!

12月 12, 2021