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リーディング力の伸ばし方

 

 

私はもともと、リスニングが得意で、TOEICでも英検でもリスニングで点数を稼ぐタイプでした。しかし、リスニングのパートはテストの中の1部で、得意なリスニングに頼って点数を稼ぐのにも限界があります。いつかは「リーディングの点数を上げる」という壁に立ち向かわなければいけませんでした。

私自身の学習経験、そして、これまでのティーチング経験から、どうしたら効率良く「リーディング力」を伸ばせるか、について記事にしてみました。

1.英語の4技能

一口に「英語力」と言いますが、「英語力」は4つの技能に分けられます。

  • リスニング(聴く力)
  • リーディング(読む力)
  • スピーキング(話す力)
  • ライティング(書く力)

さらに、この4つは、下記の様に受動的スキル能動的スキルに分けることが出来ます。

受動的スキル=情報を受け取るスキル

  • リスニング(聴く力)
  • リーディング(読む力)

能動的スキル情報を発信するスキル

  • スピーキング(話す力)
  • ライティング(書く力)

ここまででお分かりいただける様に、リーディングは、英語の4技能のうちの「情報を受け取るスキル(受動的スキル)」に当たります。

2.リーディングはなぜ辛い!?

 

Photo by Siora Photography on Unsplash

英語学習人生の中で、私の中にはずっと「リーディングは辛い」というイメージがありました。

受験勉強をしていた時も、長文読解が最も辛かったですし、TOEICでも最初のリスニング・セクションが終わるとちょっと心が沈んだものです。

洋書を読み始めた時も、理解出来ない文章が続くと、フラストレーションを感じて読むのを止める衝動に襲われるか、恐ろしい睡魔に襲われるのかのどちらかでした。

リーディングは、「英語で書かれた情報を読み、内容を理解するスキル」です。

しかし、第二言語として英語を完璧には習得していない私たちが英語の文章を読むということは、次の様な感覚ではないか、と私は考えています。

例えば、皆さんが今苦労なく読んでいる日本語で書かれたこのブログ。

所々に、インターネットのバグが発生していて、識別出来ない単語が入っていると想像してみてください。

この場合、皆さんは、理解出来る文章や単語から、理解できないバグの部分の内容を補って、意味を想像して全体の内容を理解するでしょう。

しかし、バグの部分が多くなってしまったら、どうでしょうか?

文字化けの量があまりにも多くなってしまうと、いくら理解出来る文章や単語から全体の内容を推測しようとしても、無理になってしまいます。

こうなると、私たちの脳の中で「文字を映像として理解する」ことが不能となり、内容を理解することが出来ないのです。

これが、英語を読んでいる時に、「フラストレーションを感じて読むのを止める衝動に襲われ」たり、「恐ろしい睡魔に襲われ」たりる原因だと私は考えています。

皆さんは、面白い小説やハラハラドキドキさせられる推理小説を読んで、あまりにも面白くて気がついたら何時間もその本を読んでいた、なんていう経験はありませんか?

これは、文章を追いながら、それが私たちの脳の中で映像として映し出され、私たちがその物語の世界に入り込んでしまっているからですよね。

ここに、「読む」という活動の面白さがあるわけです。

ですが、文字からスムーズに映像化することが出来ないと、この「読んで、情報を得る」というプロセスがスムーズに行われません。

そうなると、「読む」という活動が、「辛い!」という活動になってしまうのです。

3.リーディング力はどう伸ばす?

 

Photo by Gabriel Tovar on Unsplash

読む力を伸ばすには、とにかく「読む」という活動を行い、「英語で書かれている文字を自分の脳のなかで映像化する」トレーニングを積む必要があります。

そして、一般的にリーディングには下記の2種類の学習方法があります。

精読

これは、英語の文章を読み、文章中に出てくる単語や文法事項、全てにおいて100%理解していくやり方です。しかし、日常生活でこの「精読」が必要な場面は、特定の場面や職種に限られると思います。

日常生活で「精読」が必要な場面の例

  • 契約書に署名をする際
  • 仕事上、学習上の理由で、文献などを100%理解しておく必要がある場合
  • 医療に関する場合
  • 英語から日本語に仕事として翻訳する場合

仕事上、または生活上、上記の場面が日々強いられる様な場合は精読のトレーニングが必要です。

しかし、そうでない場合は、この「精読」という学習法はほとんどの方には「必要のない」、または、「効果が薄い」学習方法だと思います。

多読

もう一つのリーディングのやり方は、「多読」です。そして、これこそ、私が多くの学習者にお勧めするリーディングの学習方法です。

「多読」とは、文字通り、「たくさん読む」ことですね。

そして、多くの人が誤解していますが、「多読」を行う場合、読んでいる文章に出てくる分からない単語や文法は、特に調べて意味を理解する必要はありません。先ほどの文字化けの例の様に、分からない単語や文章は、分かる部分から想像して内容を理解していけば大丈夫です。

だからこそ、この多読を行う場合は、「自分に合ったもの」を読むことが最も大切です。そして、この「自分に合う」というフィット感は、下記の2つの観点から考えてください。

1.レベル

分からない単語や文章を想像しながら読み進められるくらいのレベルですから、あまりたくさん分からない単語や文章があると大変です。ページの85%は理解出来るくらいの内容が目安です。

また、もともとリーディングに苦手意識を持っている人は、難しい文章を苦労しながら読むよりも、簡単なものを読んでいく方が継続につながります。知らない単語がなくても、英語の文章をスムーズに映像化出来る様になるには、ある程度の読む活動が必要になりますから、とても簡単な物からスタートしても十分効果はあります。

ちなみに、自分に合ったレベルの本を簡単に選べるのがラダーシリーズで、私はよく生徒様にお勧めしています。

 

 

2.自分が面白いと感じるかどうか

「読む」という活動は、「継続出来るか」が鍵になります。

例えば、同じ受動的スキルであるリスニングの場合は、プレイボタンを押してC Dを流せば、勝手に英語が流れてきます。あとは、耳をその英語に傾けるだけです。ですが、「読む」という活動は、自分で自主的に本やキンドルを開き、「読む」活動を行わなければ成立しません。

どんなに「英語上達のため!」と思っていても、読む内容が面白くなければ、続けるのは本当に大変です。自分が「興味を持てるか」というのも、とても大事なポイントですよ!

いかがでしょうか?

リーディング上達を目指し、学習を頑張っている皆様の参考になれば本当に嬉しいです!

また、以前「洋書はどうやって英語学習に使う?」についても書きましたので、ご興味のある方は読んでみてください!

5月 16, 2021