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ラーナーズ・マインド

最近、「思考の整理学」という面白い本を読んでいます。

*参考文献 「思考の整理学」外山滋比古著

とても印象的なのは

学習には「受動的な学習」と「能動的な学習」とがあり、学校制度の導入によって社会はどんどん「受動的な学習者」を育てている、

という主張をしていることです。

というのも、ニックも私もこのことについてはよく考えてきたからです。

この本では、それぞれの学習を以下のように定義しています。

「受動的な学習」―問題と教えてくれる人が既に与えられていて、それに従って知識を得る学習。

「能動的な学習」―自分で物事を発明、発見したりする学習

そして、それぞれの学習能力を下記のように比喩的に説明していました。

受動的な学習能力=「グライダー能力」

*自分にはエンジンがないので自力で飛ぶことが出来ず、飛行することが可能な環境でのみ飛行することが出来ることから

能動的な学習能力=「飛行機能力」

*自分のエンジンで飛行することが出来ることから

面白いのは、この両方の能力は一人の人間の中に同居している、とされていることです。そして、学校はグライダー能力を育てる場だと筆者は述べています。

しかし、面白いのはここからです!

それに比べ、伝統技術の修練などは、学習者の能動的な学習能力を引き出す工夫がされていると言っています。

例えば、師匠が始めからすぐにやり方を「教えない」ことで、学習者の「知りたい」という欲求を高めたり、あえて言葉で教えないことで、学習者が師匠から見様見真似で技を盗む力を育てたりしていた、と言うのです。

つまり、

これらの技術を教える側が、ある技術・技能の習得には、学習者が「飛行機能力」を持つことが大事だと知っていのだ、

と主張しています。

これを読み、自分が英語学習をしていた時に、似たようなことに気を付けていたことを思い出しました。

そして、それらを整理し「3つのラーナーズ・マインド」としてまとめてみました!

ぜひ、今後の皆さんの学習の参考にしてくださいね。

1.「知りたい」という欲求–“External Study”の存在

curiousity

英語学習に興味を持つことについては、常にお話ししていると思います。

バイリングアのコースを受講されている生徒様たちのカリキュラムは、全て生徒様たちが興味を持っている分野をもとに構成されています。

しかし、上達が速い人は、カリキュラム上で課される課題以外の学習である

External Study(外部の学習)

もしているのです。

External Studyとは、例えば

・英会話のラジオ番組をきく

・英語で書かれたもの(洋書・ネット記事・ブログ)を読む

・英語の歌を歌う

・英語のドラマや映画を見る

・英語で何かを学ぶ

などです。

私の場合は、中学校1年生で初めて「英語」に出会い、英語と日本語を流暢に使いこなす先生のカッコ良さに憧れ、「絶対に英語ペラペラになる!」と誓いました。

そして、先生にお勧めされるままに、NHKの基礎英語を聞いていました。

また、先生が音楽好きで、授業でビートルズ、カーペンターズ、エルトン・ジョンなど有名な洋楽をたくさん教えてくれたことをきっかけに、洋楽も歌詞を見ながら歌う、ということをExternal Studyとしました。

カナダに留学している際は、語学学校で出る課題以外にも、英語日記をつけたり、洋書を読んだりと、何かしらのExternal Studyをしていました。

External Studyは、出来れば自分に素直に沸いてくる興味に従うのがベストです。自分にはどんなExternal Studyが楽しそうか、少し意識してみてください。

今、すぐに「これだ!」というものが見つからない場合は、色々新しいことを試してみて、自分に合ったものを探してみても良いですよね。

2.自分より上手な人や先生から「技を盗む」

tea ceremony

これが出来るようになると、新しい英語に出会えば出会うほど、あなたの実力は伸びていきます。

私は特に、発音に関してはこれをものすごく意識しました。

英語が上手な人はどんな風に音を出しているのか・・・

特に、私たち日本人とネイティブの発音の違いは何なのか。

とにかく、これを意識して学習してきたことをよく覚えています。

高校生で初めてアメリカにホームステイに行き、ものすごい発見だったのは、母音の発音の仕方です。

特に「あ」の母音。

日本人の私たちは、どちらかというと口を横に広げて発音しがちですが、口を縦に開ける意識を持つだけで、ネイティブにグッと近い音が出せることに気が付いたのです。

これは、音声を付けてみましたので、ぜひ聴いてみてくださいね。

あとは、日本語で話しているよりも、ピッチを下げて話した方がネイティブっぽく聞こえることも、大きな発見でした。

「相手から盗んでやるぞ!」という意識があるだけで、発見できることや学べることはとても多くなります!

ぜひ、これから意識してみてください!

3.期限が決まっている

time limit

日本には「習い事文化」があり、習い事を始めるのは簡単ですが、辞め時を判断するのが難しいことってありませんか?

大抵の場合、あるスキルを習得するために「習い事」をするのですが、1つ習い事を始めると、そこには先生との関係や、そこで出来る人間関係なども関わってきて、だんだん「続ける」こと自体が目的になってしまう、なんてことも少なくいと思います。

だからこそ、「〇〇までにここまでを達成!」と期限を切ることはとても大切なことです。

私がバンクーバーに語学留学を決めた時は、大学をもう卒業していましたし、経済的な理由などから、もっと長期で行きたかったけれども、泣く泣く5ヶ月間となりました。

しかし、そのおかげで「5ヶ月間で英語をモノにしなければ!」という気持ちが奮い立ったのを覚えています。

バンクーバーに着き、初めてのクラスは翻訳・通訳入門のクラスだったので、クラスにいたのは日本人ばかり。そして、その中の一人は既に9ヶ月間滞在していました。でも、残念ながら、英語がそんなに上手ではありませんでした。

私はその時、純粋に絶望しました。

しかし、逆に「ここにいる人たちと同じことをしてはダメだ!」とクラスメイトたちを反面教師にしたのです。

そして、同じクラスの日本人とばかり付き合っているクラスメイトたちとは絶対に友達にならない、時間を過ごさない、と決めました。

「私は、日本語で話す時間を作るためにカナダまで来たんじゃない!」という強い気持ちでした。

そして、「自分より英語が出来る、友達になれそうな子」を探しました。それは、たまたま隣でP Cを使っていた韓国人の女の子です。

隣のクラスでしたが、休み時間になると彼女のところへ行って一緒にランチを食べたり、週末を一緒に過ごしたりしました。

そうしているうちに、語学学校にいる以外の時間もたくさん英語に触れることが出来たのです。

その結果、5ヶ月という留学期間でも、かなり英語をブラッシュアップして帰国することが出来たのです!

目標に対して期限を切った瞬間から、「達成するために、今何をしなければならないのか」という思考に切り替わります。

そして、今やるべきことが明確になっていきます。

長い間達成できていない目標がある人は、この「期限を切る!」をちょっと試してみてください。

今まで見えなかった何かが、見えるかもしれませんよ。

いかがでしたか?

あなたの学習にも、ぜひ「ラーナーズ・マインド」を取り入れてみてください!

必ず、結果が変わってくると思いますよ!

7月 10, 2021