僕は語学オタクです。(よし、やっと言ってしまいました。あ、もうバレてましたか?笑)
朝から夜までずっと言語について考えています。英語のレッスンとレッスンの間に色んな言語を練習していて、今は日本語、イタリア語とギリシャ語を主に集中して勉強しています。
散歩みたいな活動をしても「どうやって生徒様にこの情熱を渡すべきなのか」というようなことをよく考えています。
言語に夢中と言われたら、間違いないと思います。
では、どうやって僕は、数十年間に渡りこの情熱的なやる気を維持しているのでしょうか?
答えは割と簡単です。
それは、「ずっと上達を感じる」ということです。
常に上達していれば、やる気はとても維持しやすくなります。
自分に自信がついて来て「上達できる」という自分への信頼がどんどん増えていきます。
だから、「どうやってやる気を維持する?」という質問より「どうやって英語を上達させる?」という質問の方が大事なんです!!
上達のドアを開ける5つの鍵
もちろん、英語の上達のさせ方に関しては、人によって様々な方法や意見があります。
今回は、僕自身のやり方を分析した結果見つけた5つのポイントをご紹介します。
どうぞ、自分の英語勉学習の戦略として、取り入れてみてください!
第1の鍵:1つの学習素材に頼りすぎない
「学習素材」とは、教科書、コース、ビデオシリーズなどが含まれます。もし1つの学習素材に頼りきり、学習の素材が「それだけ」になると、その素材の中で問題が生じたら、すぐに上達への道の妨げになります。
僕は同時に色んな学習素材を使っています。この複数の素材は、その言語の1つの技能を磨くために、それぞれ自分で選んでいます。
例えば、日本語の勉強では、文法を学ぶための教科書、漢字を学ぶためのオンラインコース、辞書、ネイティブコンテンツに親しむためのポッドキャスト、読解力を鍛えるための本、発音強化のために視聴するYouTube、などの素材を使っています。
これには、3つの大事な利点があります。
1.気分に合わせて勉強出来る!
ある時は「あっ、漢字の気分です」。でも別の時は「ネイティブコンテンツを聴きたい」とように、気分の違いは誰にでもありますよね。複数の学習素材を揃えておけば、その日の気分に合わせて選ぶことができます。だから、「勉強」に対して気分が乗らない日でも、「その言語に触れる」機会を作ることができます。
2.上達気分を味わえる!
どんな素材を使っても、やる気のない時は必ず生じます。そんな時は、敢えてちょっと易し目の学習素材に交換して、自分の上達を実感します。自分を良い気持ちにするために、わざと簡単な学習素材に取り組むのです。
「上達した」という気持ちが成功体験となり、またやる気が湧いてきます。
3.理解が深まる!
同じことを、別の素材で学習することによって、理解が深まります。
例えば、英語の「受け身形」の使い方の説明は、1つのやり方を試すだけでは、わかるかわからないかは運任せです。しかし、もし色んな説明を聞いたり、例文に出会ったりすれば、理解出来る確率が高まります。
第2の鍵:ミクロゴールをセット
バイリングアではいつも「英語の勉強目標は何ですか」という質問を重視しています。それは、目標がわからなければ、やる気は維持しづらく、道に迷いやすいからです。
しかし、こういう目標は「いつかの目標」です。これは、長期的な学習の方向性を決めることにはとても役に立ちますが、「今週のやる気を維持する」ということにはあんまり当てはまりません。
ですから「今週の目標」というミクロゴールをセットしましょう!!
スキル、チャレンジ、弱点の克服などは、短期的に集中した方が、やる気を維持しやすく、上達も簡単に見えるようになります。
ミクロゴールの例:
- ・ある文法の使い方をわかるようになる
- ・あるお題について話せるようになる
- ・毎日30分間のネイティブオーディオを聴くチャレンジ
- ・ある発音の弱点の練習を集中する
これらのゴールは、短期で集中でき、「達成したか・しなかったか」が明確にわかります。短期の目標をしっかり達成していくと、必ず上達感を感じるはずです。
第3の鍵:自分のレベルのマスターになる
「自分の英語が上達していると思えない」と思ってしまう人の問題はいつも、「いつかの目標」を水平線のように眺めしてしまうことです。
そうすると、当然「今の自分のレベル」と「理想的な自分のレベル」を比較してしまいます。その場合、「今の自分のレベル」に対してどう感じるでしょうか。もちろん、がっかりですよね。
だから、「今の自分」のレベルをマスターすることに集中することは大切だと思います。
もちろん、僕もまだわからない文法点、語彙、表現などもたくさんありますが、全くの初心者のレベルから色んなことが分かるようになって、ここまで来ました。
僕は、言語学習に対しいつも前向きの考え方を持つように意識しています。
「自分のレベルは足りていない」という考え方をする人は多いと思います。いつも「知らないこと・分からないこと」に集中していると、こう思うのは当たり前ですね。
しかし、「分かるようになったこと・出来る様になったこと」も少なくないはず!ちゃんとそれを自分で認識し、「自分は成長した」と実感することはとても大事なことです。
この「自分のレベルをマスター」するコツは、「新しいことを学ぶ」と「もうわかっていることを練習」という釣り合いを維持することです。
新しいことを学ぶには、エネルギーをたくさん使います。逆に、もう分かっていることを練習することは、必要なエネルギーを「補充」するのに役立ちます。
「成功」感じると自信がつきます。さらに、僕たちの脳内では「エンドルフィン」というホルモンが分泌され、それが新しいことを学ぶために必要なエネルギーとなるからです。
第4の鍵:想像力を使う
基本的に、僕は語学の教科書が嫌いです。ある程度役に立ちますが、ほとんどの教科書の練習は、硬い文章を作ることばかりです。
でも、何よりも嫌いな理由は「想像力を使うことができない」からです。
言語は科目ではなく、コミュニケーションの道具です。だから、お互いに理解できれば間違っても大丈夫です。
それに、自分の言語力は「自分の性格」の一部です。だから全く初心者のレベルから、自分の好きな話題やコンテンツに関係することを学習する方が、上達も速いし、やる気を維持しやすいです。
ほとんどの初心者は、ネイティブ向けの英語の本、雑誌、動画などは「絶対にわかるわけはない!」と思うと思いますが、好奇心を持っている話題についてのコンテンツでしたら、すぐに要点を理解します。
何故でしょうか?
答えは「想像力を使っている」からです。
言語で理解している割合が少なくても、理解している言葉を繋げて、脳味噌を使って考えることで、意味を理解する、という奇跡が生まれるのです。
でも、これはインプットだけでしょうか? アウトプットはどうですか?初心者が、簡単に流暢に喋り出すということはできないでしょう!と思うでしょうか?
もちろん出来ません。でもインプットの奇跡と同じように、例えば海外にたった一人で行かなければならないとしたら、効果的なコミュニケーション方法をすぐに見つけ出します。何故なら、そうせざるを得ないからです。
自分にとって重要な問題を解説したければ、何となくできるようになります。
そして、その貴重な状態で成功できれば、とても自信になります。
第5の鍵:英語は楽しいと思った方がいい
15年以上、英語を教えてきた経験によって言えることは、ほとんどの生徒さんは「英語は難しい」と考えています。
でも、これは、実は「自己成就的予言」です。
自己成就的予言は、英語ではSelf-fulfilling prophecyと言います。
自己成就的予言というのはもともと心理学の概念で、自分で「こうなるのではないか」と思って行動していると、じっさいにその予言が現実のものとして成就してしまうという現象をさします。たとえば、人前で話すのが苦手だと思っている人は、人前に出ると緊張してしまうことが多い。だからうまくしゃべれなくなって、人前で話すのがますます苦手になるという現象が自己成就的予言です。
つまり、「英語は難しい」と思っていたら、「英語が難しい点」を幾つも見つけてしまい、まその結果「やっぱり、英語は難しい」と思ってしまいます。
だから、逆に「英語は難しい」の代わりに、「英語は楽しい!」と意識的に考えてみましょう。
僕たち人間の頭は、すでに信じていることを「正しい」と確認するために常に「証拠」を探しています。
だから「英語は難しい」と思っていると、新しい言葉を思い出せない時や新しい文法を理解しにくい時など、頭の中の小さい声が「ほら!難しいだろう!」と言って、それが「自信喪失」につながります。
逆に、「英語は楽しい」と思っていると、新しいことを習う時「あっ、この言葉はこういう状態に使えるね。」、「あっ、この文法点は完璧理解していないけど、とりあえずやってみよう」と言い態度になります。
それで、少しだけでも成功すると、自信が付いて来ます。
いかがでしょうか?
モチベーションの裏には「上達を感じる!」という成功体験が鍵になる、というお話しでした。
毎日「私の英語、上達している!」と感じられるように、上記の点をぜひ学習に取り入れてみてくださいね!